2008/04/13

「シティ・オブ・ゴッド」

これは傑作!!です。

舞台は1960年代から1980年代。ブラジルのリオデジャネイロ近郊にある「神の街」と呼ばれるスラム街。そこは、子供達が平気で銃を持ち、少年ギャング達が街を走り回っている世界。
実話を元に描かれたこの作品、銃を持っている子供達や"殺し”を語る子供達の姿を見ても、最初はそのことが現実とは受け入れがたく、映画の中だけの世界のように感じます。
しかし、こういった状況が紛れも無く現実に起こっているという事実。そのことにまず衝撃を受けます。

それに加えて、この映画は作品として衝撃的に素晴らしい出来映えです。
テンポが早くて、無駄がない。
群像劇でもあり、さらに時間の流れがある、という物語の構造がうまくまとまっている上に、
暴力、ストリートチルドレンの犯罪、抗争といったモチーフの中に、少年達目線の日常や友情もバランスよく描かれています。
そこに、要所要所でやってくる緊迫感。
最後まで怒涛の勢いで映画の中に引き込みます。


この「シティ・オブ・ゴッド」の監督は、「ナイロビの蜂」などのフェルナンド・メイレレス監督。
一部のキャストを除き、ほとんどの主要キャストを現地のスラム街で暮らす素人から採用したそう。
オーディションと演技訓練を重ねて臨んだそうですが、リアル感という点でもそれが功を奏した印象です。
とはいえ、映画の中で映し出されたものは、きっとまだまだ生ぬるいものでしかないでしょう。
現地ではもっと目を背けたくなるような状況だろうということが想像に難くありません。

ラストは、本当に「やられた!!」といった感じ。
非常にライトな幕引きに、その無常さを見せつけられます。

未見の方は、ぜひ!

評価:★★★★☆(4.5)


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