
ヴィム・ヴェンダース監督が世に送り出した名作の一つとしても有名です。
カンヌ映画祭でもパルムドールを受賞。公開から20年以上たった今でも、色あせません。
様々な要素が入りながら、それらが完璧に組み立てられ、素晴らしく完成度の高いドラマじゃないでしょうか。
主人公のトラヴィスは4年前に家族の前から姿を消し、荒野を放浪している。ほとんど言葉を発しない、廃人のような状態でいるところを、弟が迎えに来た。
最初はコミュニケーションもままならない状態だったのだが、弟の元で一緒に暮らし始めるうちに、徐々に人間らしさが戻ってくる。
再会時、「親」という認識を持てていなかった幼い息子との距離も次第に縮まっていき、2人は失踪した妻を探しに行く旅に出ることにするが・・・。
登場人物それぞれが持つ様々な『愛』の形を感じる事ができます。
兄弟の愛。親子の愛。時間が積み重ねた愛。男と女の愛。自己愛・・・。
愛の形も強さもそれぞれで、それを観ている私達は時に温められ、時には痛々しく思い、時にはどうしようもなく切なてたまらなくなるのです。
何度も観たいシーンはたくさんありますが、好きなシーンをいくつか紹介。
昔の映像を見て涙を流すトラヴィス、そしてそれを見て何かを感じとる息子の姿。
通りを挟んで、トラヴィスと息子が同じ様に歩くシーンのとても微笑ましいこと、
そして、
後半から終盤にかけての一連のやりとり・・・(状況を書きたいですが、観ていない方の為にあえて我慢!)は涙が止まりません。それぞれの関係性、過去と現在とあふれ出す感情、それらが一気に繋がっていくかのように、鳥肌が立つほどに素晴らしいのです。
観ていない方は、ぜひぜひ、観てください。

最高の一作です。
評価:★★★★★
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