
『猫が行方不明』や『スパニッシュ・アパートメント』などフランスを代表する監督とも呼ばれるセドリック・クラピッシュ監督の最新作、『PARIS』です。
この作品はフランスで170万人が観たという大ヒット作品!
主演はロマン・デュリスとジュリエット・ビノシュ。
主人公ピエールは心臓病で余命わずかと宣告されます。助かるためには心臓移植しかなく、その手術の成功率は40%。彼は移植の提供者を待つ静かな日々を過ごす事にするのです。
そこへ弟を心配したシングルマザーの姉・エリーズがやってきて、同居生活が始まるのでした。
死を意識し、人生に残された時間を感じるようになったピエール。彼の目から見えるパリの街で生きる人々の日常が、貴重で美しいものとして意味を持ち始めます。
それぞれの人のありふれた些細な時間も、哀しみも、喜びの笑顔も、何にも変え難い大事なもの。そしてその人々や彼らを包みこむ「パリ」という街もとても愛おしいものだと気づいていく、といったストーリー。
日常の物悲しさも、切なさも、些細な幸せも、溢れ出るほどの喜びも、何かを愛おしむ気持ちも、
生きているからこそ味わえる貴重なもの。
それは様々な形で日頃から私達に伝えられていることだし、理解しているつもりであっても、
残された自分の生命の時間を意識した者と、そうでない者では絶対に見えるものも感じるものも違うはず。
ピエールの目を通して観る、生きていることそのものの愛おしさを、映画館で少しでも感じとって来ようと思います。
12/20からBunkamuraル・シネマにて公開。順次全国公開予定です。
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