2008/01/16

「10ミニッツオールダー(人生のメビウス)」

 信じられないほど、豪華な顔ぶれの監督達がそれぞれ「10分」の映画を作りました。 
 ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、ビクトル・エリセ、チェ ン・カイコー、アキ・カリウスマキ、スパイク・リー、ヴェルナー・ヘルツォーク!拍手喝采ものの超豪華な面々!!

 製作側はなるべく各監督の好きなように作らせるよう心がけたといい ます。
そんな訳で10分に濃縮されたそれぞれの監督の想いを味わえたとても贅沢な時間でした。例えるなら短編小説というより、詩の様な映画達だった気がします。

 この映画のフライヤーにビクトル・エリセの言葉が掲載されていました。それは、とてもステキなものでした。
 映画が大好きな私の中にその言葉は染み渡って、私を包み込んでくれました。
 「一生映画を愛していきます!」 結婚式の誓いの言葉の様な台詞を映画に捧げたくなりました。 
 
全文を記します。

 私が製作しました作品は、「ライフライン」というタイトルがついております。これはもちろん美しいタイトルではありますが、スペイン語の原題「Alumbramiento」(アルンブラミエント)が持つ意味を伝えることはできません。
 「Alumbramiento」という言葉は同時に二つの意味を持ち合わせています。一つは光を与えること、照らし出すこと。もう一つは出産、 誕生です。 
 つまり、スペイン語で、生まれることは光を与えることなのです。
 これが表すのは、「Alumbramiento」という言葉の意味と映画本来の行為が一致するということです。映画の行為、つまり映画はこの世界に存在する全てのものを照らし出し、私たちの目の前で繰り返し「命」を与えてくれるの です。
                                ビクトル・エリセ
 
 映画をきっかけに出会ったこの言葉、いつまでも心に残ります。

評価:★★★★☆

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