2008/01/09

「イル・ポスティーノ」

 ゆるやかに静かな時間の流れる映画「イル・ポスティーノ」。

 イタリアのとある島にやってきた著名な詩人、その詩人の元に郵便を配達する事になった青年は、「詩」、「言葉」、「隠喩」についてを教わるうちに、「詩」に夢中になっていきます。

そして想いを寄せる相手へ送る詩を教わりながら、心を通わせていくのです。 

 詩人が島を去った後、主人公マリオの人生に確実に残していったもの、その感情がとても尊く思えます。


ただただ穏やかできれいな島と素朴な人々。
だからこそ生きてくのに必要な事って、結構シンプルじゃないかと思わされました。 そして、「言葉」の持つ大きな力。伝えることの大きな意味。


 詩人・パブロ役のフィリップ・ノワレの演技は言わずもがな、素晴らしいです。
※主人公の青年を演じた
マッシモ・トロイージはこの映画の撮影を終えたわずか12時間後、病気で亡くなってしまい、この作品が遺作となってしまいました。

 随分前、ローマに住んでいる友達が「「イルポスティーノ」の舞台になった島に旅行で来ている」と書かれたポストカードを送ってくれたことがありました。主人公マリオの後ろ姿を映した、モノクロ写真のポストカード。 
この映画を思い出す時、彼女が送ってくれたそのカードと、なかなか会えない親愛なるその友の存在も思い出すのです。


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