2008/01/14

「しあわせな孤独」

 スザンネ・ビエール監督のデンマークの映画。女性の監督というのがなんとなく頷ける作品です。

 主人公のセシリは愛する婚約者の彼との結婚を控えて幸せのさなかだった。物語は彼が目の前で交通事故にあい、全身不随になるという 悲劇で始まります。彼を車でひいてしまった女性の夫が、入院した先の医師という奇遇。
 主人公のセシリは事故後、婚約者の急変した態度や、受け入れ難い事実に、一人で立ち向かう事ができなくなってしまう。彼女はやがてその担当医師と、恋愛関係になってしまいます。

 監督は「突然悲劇がやってきてしまったときの人間の弱さを描きたかった」と言います。 
 主人公、婚約者、医師、婚約者をひいてしまった医師の妻、描かれているその4人それぞれの「心境」が痛いほど理解できてしまいます。そうするか、は別として。

 それほど、綺麗事ではなく、リアルにそれぞれの人物の感情や行動が描かれています。誰しも映画を観ながら考えてしまうでしょう。いざ自分が主人公の立場になったら・・・、そんな事が突然起こり、恋人に頑なに自分を拒絶されても、自分自身を強く保っていられるかどうか・・・。

 終盤の婚約者が彼女にあてた言葉、彼女のとった行動、病院での彼と看護婦とのやりとり・・・涙、いっぱい流れました。

この映画、デンマークでは記録的に大ヒットし、8人に1人は観たというほどだそう。
特に女性には観てほしい映画。


 同時期に公開した「幸せになるためのイタリア語講座」 もいい映画でした。人と人の繋がりも、慎ましく悩みながら頑張ってる姿も、見ていて励みになります。

あとから、じわーっと体に効いてくるような、ビタミン剤のような映画でした。

評価:★★★☆☆

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