2008/01/11

「彼女を見ればわかること」

 この映画、「低予算でインディペンデント映画なのに、有名女優達がこぞって出演を希望した作品」と公開当時話題になりました。
監督はロドリゴ・ガルシア。ノーベル文学賞を取ったガルシア=マルケスさんの息子だそうです。この映画がデ ビュー作で、脚本も書いています。デビュー作とは思えない!!
出演はキャメロン・ディアス、ホリー・ハンター、キャリスタ・フロックハートなどなど豪華豪華。 
 5人の女性の日常を切り取ったオムニバス。
心がチクチクしたり、主人公達の傍らに行って、話しをゆっくり聞いてあげたくなったり、切なくて切なくてたまらなくなったり。

他人にわかって欲しいけど、見せる事のない心の内側や孤独感を優しく照らしてあげている、こういう映画、個人的にとても好きです。

その女性の描き方の視線の近さ、繊細さは、男性の監督とは思えなかったほどです。「退屈」という人もいましたが、私は好きです。
いや、退屈とは思えませんよ、この映画は。

 5話のオムニバスだからこそか、まだまだ彼女達を放っておけないような気持ちのままでそれぞれのストーリーが終わり、余韻が残りました。
 「おやすみ、リリィ、おやすみ、クリスティーン」という話は「愛する」という感情がダイレクトに伝わってきて、何度見ても涙が出てしまいます。

 この映画のしばらくのち、同監督の作品で、「彼女の恋からわかること」という映画も公開されました。
こちらは10人の女性が一人ずつ自分達の恋の話をカ メラに向かって語るだけ。話す女性達は皆演技なのですが、まるでドキュメンタリーを見てるよう。話を聞いているだけですから、観客の想像力まかせです。
 だからこそか、匂い、温度、音、など、五感を刺激する映画でした。男性にも見て欲しい映画。「女心なら結構わかるぜ!」なんて思う人も、「女心、訳わかんねえ!」なんて人も。
 私は、「彼女を見ればわかること」の方が好きです。
女性には特にぜひ見てほしい映画!!

評価:★★★★☆

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